「俺に愛はないのか。
 お前がちょっとキスしてくれるだけで、俺は明日も元気に働けるのに」

「でっ、でも、無理ですっ!」

「無理でもやれ」

 ええーっ、と手を握り合ったまま二人が言い合っている間、ぽすは少し離れた場所から小首をかしげるようにして眺めていたのだが。

 そのうち、見ているのが莫迦莫迦しくなったのか、飽きたのか、とととっとテレビの間の方に行ってしまった。

「だから、キスしてみろって」

「むーりーでーすーっ!」