というわけで、結婚してください!

 つ、妻になった記念に、いつぞや、尊さんがしてくださったみたいに、額にキスとかしてみましょうか。

 そうですっ。
 妻になったことですしねっ、と誰にともなく、言い訳しながら、鈴は、また、そっと尊の顔を覗き込んでみた。

 征さんほどクールでないので、征さんみたいにマネキンか蝋人形なんじゃないかとか疑うような感じではないですが。

 どういう比率で目鼻がそろえてあるのか不思議になるくらい整った顔ですね。

 そっと尊の側に手をつき、額にキスしようとして、鈴は、なんとなく辺りが気になる。

 誰かに見られてたら恥ずかしいな、と家の中なのに思ってしまった。

 実は、私が気がついていないだけで、此処は交差点のど真ん中だったりしたら、どうしよう、というところまで、思い詰めてしまう。

 だったら、やめればいいじゃん、と朋花とか言ってきそうだな、と思いながらも、そっと尊の額にキスしようとした。

 ……が、やはり、誰かの気配を感じて振り向く。