……うーん。
寝てしまわれました。
鈴が真ん中の部屋に布団を敷くと、ゾンビのようにフラッと椅子から立ち上がった尊はそのまま倒れて寝てしまった。
そっと布団をかけたあと、鈴は側にしゃがみ、尊の顔を覗き込む。
今日もあんまりお話できませんでしたね、尊さん、と心の中だけで、尊に話しかける。
尊が起きてしまってはいけないからだ。
見知らぬ土地で、本当は少し寂しいんですけど。
こんな風に無防備に寝こけていらっしゃる尊さんの寝顔を見ているだけで、なんとなく幸せな気がします。
しかし、本当になにをしても起きそうにないな、と鈴は思っていた。
なにをしても起きそうにない、と思った瞬間、鈴は、頭の中で、尊を槍で突いてみていた。
……いやいや、そうじゃなくて、と思う。



