というわけで、結婚してください!

「とりあえず、テーブルか、レジャーシートが欲しいですよね」
とぬるいサイダーを飲みながら言って、

「なんで、レジャーシートだ」
と言われた。

「いや、床に座ってご飯食べるのに、レジャーシートがあったら、ちょっとお花見気分かなって」

「……いや、テーブル買ってこい。

 お前と阿呆な話をしていたら、もういい時間になったじゃないか」
と尊は腕時計で時間を確認している。

 そうだ。
 時計もいるな、と思ったとき、尊が心配そうなこちらを見ているのに気がついた。

「なんですか?」
と問うと、

「いや……お前をこんな見知らぬ土地に連れてきて悪かったなと思って。
 ただでさえ、結婚したばかりなんで、いろいろ不安もあるだろうに」
と尊は言う。

「なんでですか。
 楽しいですよ。

 全然知らない土地に、二人で逃避行に来たみたいで。

 それに、尊さんと逃げてる間、ずっと、たどり着きたかった場所ですしね。

 第一、転勤の多いおうちの奥さんって、何度もそんな感じになるんじゃないですか?」
と言いながら、奥さんか、とちょっと赤くなる。