というわけで、結婚してください!

 ほう、とちょっと嬉しそうな顔をする尊に言った。

「なんでだかわからないんですが、この家いっぱいにぬいぐるみがあるんですよ」

「それは、今、なにもないから、なにか置きたいという願望の表れなんじゃないのか」
と言われ、

「そうかもしれませんね」
と鈴は笑う。

「そしたら、尊さんが、ただいまーと帰ってきたので。

 尊さん、尊さん。

 これクレーンゲームで取ってきたので、ひとつあげます、と言って、バナナを抱えたゴリラのぬいぐるみを見せたら、

『こんなんじゃ、駄目だ! 攻撃に使えないっ!』

 って、叱られたんです」

「いや、夢なんだろ。
 恨みがましい目で見るな……」

 それにしても、と尊は、なにもない部屋の中を見回し、言ってくる。

「早くテレビとか入れないと、お前、昼間、ひとりで寂しいだろう」