「今日、電化製品とか買いに行きたいんだが。
俺は無理そうなんで、お前、タクシーで買いに行け」
調理器具も冷蔵庫もないので、実に簡単なものしかない朝食の席で、尊はそんなことを言ってきた。
タクシーか。
そういえば、車は一台しかないうえに、ロールスロイスだ。
まあ、中が広いから、家電載せられなくもないけど、と苦笑いする鈴の前で、尊は渋い顔をし、
「……まず、お前の車買わなきゃな。
俺ももう一台買おう」
と呟いている。
「家具も好きに選んでいいからな。
待てよ。
お前の嫁入り道具って、用意してあったんだったか?」
ならば、それを使わないのも、鈴の両親に対して悪いのでは、と思ったようだった。
征との結婚のために用意したものを使いたいわけではないだろうが。



