「親父、こんなところに。 ……現実逃避か」 尊の言葉に、いやあ、という尊の父、正明《まさあき》は庭にある守衛室に居た。 正明は椅子に座り、屋敷の中の監視カメラの映像を見ている。 「あんたが開けてくれたんだったのか、門」 「早くに帰ってたんだ。 落ち着くぞ、此処」 と言う正明は、立派な風貌と、立派な服装で、ちょこんと守衛室の椅子に座っている。 まあ、この人もこの人で、大変ではあるんだろうが。 この人の場合、自業自得だからな、と思いながら、尊は溜息をつく。 そのとき、守衛室の扉が開いた。