というわけで、結婚してください!

「格子の向こうで買われるのを待ってる遊郭の女みたいだな」

 まるで、それが我が身を守る盾であるかのように、必死に格子をつかむ鈴を揶揄して、征は、そんなことを言ってくる。

 買わないでください。
 この遊女は不良品です。

 触ったら、舌噛みますよ。

 ……と思っていたが、口からは出なかった。

 余計なことを言って、今、征を怒らせるのも恐ろしい気がしたからだ。

 格子の隙間から手を差し込んだ征は鈴の顎に手をかける。

「そうだな。
 数志の言う通り、誓いのキスもまだだったな」

 そう言いながら、征はポケットから鍵を取り出した。

 そうですよね~。

 貴方が閉じ込めたんだから、鍵持ってますよね~。