というわけで、結婚してください!

 今、足音しませんでしたよっ?

 コンクリートの階段を泉美さんも数志さんもかなりの音をさせて行き来してたのにっ。

 やっぱり、この人、怖いよう、と思う鈴の前で、チラと征が数志を見る。

 数志は、はは、と笑い、
「じゃあ、ごゆっくり~」
と言って、去っていってしまった。

 こらーっ。
 今、あんないい話をしておいてーっ。

 やはり、敵っ!
と思い、そちらを見ていると、征が鈴の前に来た。

「待たせたな、鈴」

 ……待ってませんっ、と鈴は少し後退しながら思う。

「まあ、一人じゃなかったようだから、寂しくはなかっただろう」
と腕を組み言ってくるポーズが、泉美とそっくりで。

 やはり、親子……と鈴は思っていた。

 さっきまで、早く此処から出してくれと願っていたのだが。

 今は、征との間を遮る格子がありがたい。

 いっそ、このまま此処に入っていたい、と思っていたが、こちらを見て、征は笑う。