というわけで、結婚してください!

「いいんじゃない?」

 他人事のように。

 というか、体裁だけ整っていればいいという感じの泉美の言葉に、鈴が叫ぶ。

「いや、駄目ですよっ。

 征さんには、もっといい人がっ。

 征さんを一番に愛してくれる人が居ると思いますっ。

 ちゃんと考えてあげてくださいっ。

 ……などと私が言える立場ではないんですが……」
と鈴は、そこで鉄格子に額をぶつけ、小さくなる。

 いや、本当にすみません、と思っていたからだ。

 確かに、連れ出したのは尊さんかもしれないけど。

 私の心が征さんにないのは、私の責任だ、と鈴は思っていた。

 だが、泉美は、
「……私の夫の心も私の許にはないけど、別に不満はないわ」
と言い出す。