というわけで、結婚してください!

 牢の真新しさを不気味に思っていたので、そう訊くと、泉美は、

「ああ。
 此処はね、アラブの知り合いがね。

 話のついでに、なにかのケモノをくれたのよね」
と語り出す。

「それを入れとくために作ったんだけど。

 あとで、ワシントン条約がどうとか言って、連れて帰っちゃったのよ。

 まあ、助かったわ。

 一晩中、なにやら、うなり声が聞こえてたから。

 一応、地下への扉は防音のために厚くしたんだけどね」

 なんだったんですか、そのケモノ……。

 ちょっと怖いよ、と鈴は、今、居るはずのないケモノの気配に怯えるように、何度も振り返る。

「それにしても、貴女も往生際悪いわね。
 もう征と結婚したんだから、観念なさいよ」
とちょっとめんどくさそうに泉美は言ってきた。