というわけで、結婚してください!

 敵、で征と数志と、窪田が。

 味方、で尊と窪田と、数志が思い浮かぶ。

 ああ、こんなピンチのときに、自分が相手を本当のところ、どう思っているかわかるものだな、と思いながらも慌てる。

 とりあえず、隠れて様子を見ようと、地下牢の中を見回したが、がらんとして、なにもないこの場所に隠れるところなどなかった。

 此処、ベッドもトイレもないよっ。

 今夜、私にどうしろとっ、と思ったとき、その人は現れた。

 じょ、女王様が鞭を持って現れたのかと思った……と牢の中の鈴は固まる。

 いや、特になにも持ってはいなかったのだが、現れただけで、既に、そのような雰囲気だった。

 まだ紺のドレスを着たままの泉美だ。

 腕を組み、こちらを見て言う。

「どうして起こしてくれなかったの、鈴さん。
 遅れたから、もう行かないことにしたわ」

 どうやら、憤慨しておられるようだ。

「はあ、すみません」
と鈴は鉄の格子をつかんで言う。

 ……なにぶんにも、このような状態なもので。