鈴たちを降ろした尊は律儀に自分で車をとめに行ってしまった。

 まあ、もしかしたら、少し二人で話をさせてやろうと思ったのかもしれないが。

 広い玄関ホールで、征は鈴を見つめ、言ってくる。

「鈴、戻ってきたということは、俺の花嫁になる決心がついたということじゃないのか」

 鈴は気持ちを整理するように、一度、目を閉じ、言った。

「私――

 貴方は私のことなんて、好きでもなんでもないのだと思ってました。

 衣装合わせにも、なんの打ち合わせにも来ないで人任せにするほど、私に興味がないのだと」

 だから、貴方と結婚するのが不安だった、と鈴は告げる。

 だが、征は、
「すまない」
と謝ってきた。