というわけで、結婚してください!

「そうだぞ、鈴。
 征くんが本当にお前を好きだということが伝わってきたから。

 彼が幸せにしてくれると思って、私はお前を嫁に出したんだ」
と晴一郎は鈴に言ってくる。

「……なんでそれ、私に言わなかったんですか、お父さん」
と鈴が言うと、晴一郎は、

「だって、まさか、征くんがお前本人には、なにも言ってないとか思わないだろうが。

 見合いしてから式まで、短いながらも話す時間は充分あったのに」
と、いや、それはごもっともですね、と思うようなことを言ってきた。

 征は渋い顔をして、黙っている。

 まあ、軽々しくそういうことを口にしそうにはない人だよな、と思いながら、鈴は征に訊いてみた。

「ところで、征さん、この間から気になってたんですが。
 私と貴方がお会いするのは、五度目だとか」

「今日で六度目だがな」
と征は相変わらず、細かいところを修正してくる。

「……あのー、私、征さんと何処でお会いしましたっけ?」

 いや、本当に思い出せないんだが、と思いながら、鈴は訊いてみた。