というわけで、結婚してください!

 えっ? ぽすっ?
と思っていると、チョロッと征の肩からぽすが顔を覗けた。

 やはり、ぽすは悪の手に落ちていたのか!

 正夢だっ、と思った鈴の居る後部座席にぽすが飛び移る。

 だが、鈴の膝の上に飛び乗ったぽすは、キラキラした黒い目で鈴を見つめ、なでて、なでてーという感じにウロウロし始める。

「……こいつの特技は愛想を振るだったな」
と征が呟き、

「ただいまー、ぽす」
と鈴は、ぽすを抱き上げた。

 そのとき、晴一郎が助手席のドアを開けながら、
「やあやあ、尊くん。
 すまないが、うちまで頼む」
と言いながら、乗り込んできた。

 その膝には、ぽすのカゴ型のお出かけ用キャリーバッグがある。

 暗がりに立っていたので見えなかったようだ。