というわけで、結婚してください!

 振り返っている間に、数志が降りてきて、ドアを開けてくれたようだ。

 後ろから、靴音とドアを開ける音が聞こえてきていた。

 珍しく気がきくな、と思いながら、
「お義父さん、お車まだなら、お送りしましょうか」
と言うと、

「いやいや。
 近くの店で一杯呑んで帰ろうかと思ってね。

 こういうところでは、気ばかり使って、落ち着いて呑めないから」
と言いながら、まだビルの入り口に居た秋津の人間に軽く会釈していた。

「でも、一緒に帰るとしようかな。
 その方がいいんだろう?

 ――尊くん」
と晴一郎が言う。

 えっ? と振り返った。