というわけで、結婚してください!

「でもそういえば、なにも見てないです」

「食ってばっかりだったな」

「ああでも、途中で、ちょっと船に乗りましたよ。
 海風が強かったせいか、波がすごくて、船が飛んでびっくりしました」

 あはは、と笑うと、窪田が、
「まるで、新婚旅行のようですね」
と言う。

 だが、数志が、
「いや、ないでしょ。
 別々に寝る新婚旅行とか」
と自分だったら、ごめんだと言わんばかりに、不満そうに口を挟んできた。

「そういえば、数志さんたちなんですか?
 今、門開けてくれたの。

 みなさん、出払ってらっしゃるようですが」
と鈴が母屋の方を振り返りながら言うと、

「いや、警備員さんは残ってると思いますよ」
と言いながら、数志は時計を見る。

「そういえば、そろそろ征様を迎えに行かないと。

 ――ああ、よろしかったら、お二人も一緒に行かれますか?」
と数志は訊いてきた。