というわけで、結婚してください!

 か、神様っ。
 仏様、鈴様っ!

 申し訳ございませんっ。
 今、かなり不埒なことを考えておりましたっ、と思う尊の耳に、

『鈴様、あんなだけど、ちゃんと生身の大人の女性ですよ』
という数志の言葉が耳に蘇ったが。

 いやいやいや、違うだろう、と尊は思っていた。

 俺の目には、汚れないお人形さんみたいに見えるんだが。

 いや、かなり阿呆なことを言うお人形さんだが……。

 ……ああ、駄目だ。

 俺には無理だ。

 寝ている鈴を襲うなんて、と立ち去ろうとしたとき、鈴が声を上げた。

「せ……っ」

 せ?

「征さんっ。
 やめてくださいっ、征さんっ!」
と絶叫して、鈴が起きる。

 鈴の叫びに、思わず顔を覗きかけていた尊は、頭突きをくらわさせそうになり、慌てて飛びのいた。