鈴は征に電話したんだろうか、とか考えていて、長湯になってしまった。
「もう出ますよっ」
と数志に怒られ、離れに戻った尊は、迷いながら中に入った。
自分が帰ったときのためか、玄関にも部屋にも明かりはついていたが、鈴の姿はない。
「……鈴」
と呼びかけ、露天の方を見たが、明かりはついていなかった。
まさか、と思い、寝室を開けてみる。
二つあるベッドのうちの片方で、すやすやと鈴は眠っていた。
何故寝ている!
今日が最後の夜なんだぞっ、鈴!
さっき、帰りません! と言ってくれたときには、俺のこと好きなのかなとか期待してしまったのに!
人が迷い、恥じらっている間に寝るなー!



