というわけで、結婚してください!

「早く帰ってこい、鈴」
と溜息まじりに征は言ってくる。

「お前を叱ったりはしない。
 お前は連れ去られただけなんだから」

 そこで少し間を開け、征は言った。

「……待ってる」

 征は自分から電話を切ったようだった。

 初めてちゃんと話した気がするな、と鈴は思っていた。

 いや、今更、征さんに人間らしさを感じたところで、もう遅いんだけど……となにがどう遅いのかわからぬまま思う。

 尊さんはまだ帰ってこない……。

 鈴はひとり寝室に行った。

 和風モダンで落ち着いた感じの寝室だ。

 ああ、大きなベッドがふたつ並んでるなーと思う。