「鈴さんは、一億二億しか持ってないような男と駆け落ちなんてして、幸せなのかしらね
って」
「……だから、お前は、何故、わざわざそういうことを報告に来る」
この間も泉美さんが、尊がオモチャにしたような女、今更連れて帰っても、どっちの子を産むかもわからないのにと言っているとか教えに来たな……と思い出していると、
「今夜もなにもしないおつもりですか」
と数志は言い出した。
だから、お前の立ち位置は何処だ? と尊は思う。
お前は、跡継ぎに決まった征の腹心の部下じゃないのかと思うが。
まあ、幼い頃から、共に育ったから、敵となっても突き放しきれないものがあるんだろうな、とは思っていた。
「尊様。
このまま鈴様を返したら、征様の花嫁を親戚がドライブに連れてったってだけの話ですよ。
ま、その方が鈴様も帰りやすいんでしょうけどね」
「お前は俺をそそのかしてんのか」
いいえー、別にー、と言ったあとで、数志は、
「俺、明日の朝、早く出ますけど。
窪田さんとか、征様になにか言伝《ことづて》はありますか?」
と言ってくる。
って」
「……だから、お前は、何故、わざわざそういうことを報告に来る」
この間も泉美さんが、尊がオモチャにしたような女、今更連れて帰っても、どっちの子を産むかもわからないのにと言っているとか教えに来たな……と思い出していると、
「今夜もなにもしないおつもりですか」
と数志は言い出した。
だから、お前の立ち位置は何処だ? と尊は思う。
お前は、跡継ぎに決まった征の腹心の部下じゃないのかと思うが。
まあ、幼い頃から、共に育ったから、敵となっても突き放しきれないものがあるんだろうな、とは思っていた。
「尊様。
このまま鈴様を返したら、征様の花嫁を親戚がドライブに連れてったってだけの話ですよ。
ま、その方が鈴様も帰りやすいんでしょうけどね」
「お前は俺をそそのかしてんのか」
いいえー、別にー、と言ったあとで、数志は、
「俺、明日の朝、早く出ますけど。
窪田さんとか、征様になにか言伝《ことづて》はありますか?」
と言ってくる。



