夫となるはずの征は、式当日でも、よそよそしく。
征と自分との間には、永遠に埋まらない距離があるように感じていた。
なのに、突然、現れた尊とは、手をつないだだけで、一足飛びに距離が縮まった気がした。
それが相性というものなのかもしれないが――。
二人で並んでバスに乗ったときも、側に居て、まったく違和感を覚えず。
式場からさらわれるという異常事態なのに、一緒に居て、不思議と落ち着いた。
この人のことを好きなのかはわからないが……。
少なくとも、明日でさよならになりたくはない、と思った鈴は自分でも上手く言い表せない気持ちをなんとか言葉にしようとする。
「尊さん、私の前から居なくならないでください。
貴方が居なくなったら、私……。
……私、一生、ひとりで、ぽすの背を撫でていそうな気がします」
ああ、やっぱり上手く言えなかったな、と鈴は言った瞬間、後悔していたのだが、尊は、
「……鈴」
と驚いたような声を上げる。
そんな尊の顔を見ようとしたとき、
「あのう……」
と遠慮がちな声がした。
えっ? と振り向くと、部屋の隅に、いつの間にやら、数志が正座している。
征と自分との間には、永遠に埋まらない距離があるように感じていた。
なのに、突然、現れた尊とは、手をつないだだけで、一足飛びに距離が縮まった気がした。
それが相性というものなのかもしれないが――。
二人で並んでバスに乗ったときも、側に居て、まったく違和感を覚えず。
式場からさらわれるという異常事態なのに、一緒に居て、不思議と落ち着いた。
この人のことを好きなのかはわからないが……。
少なくとも、明日でさよならになりたくはない、と思った鈴は自分でも上手く言い表せない気持ちをなんとか言葉にしようとする。
「尊さん、私の前から居なくならないでください。
貴方が居なくなったら、私……。
……私、一生、ひとりで、ぽすの背を撫でていそうな気がします」
ああ、やっぱり上手く言えなかったな、と鈴は言った瞬間、後悔していたのだが、尊は、
「……鈴」
と驚いたような声を上げる。
そんな尊の顔を見ようとしたとき、
「あのう……」
と遠慮がちな声がした。
えっ? と振り向くと、部屋の隅に、いつの間にやら、数志が正座している。



