というわけで、結婚してください!

 好きとか、よくわからないなーと思いながら、鈴は尊を見つめていた。

 でも、この人が明日、じゃあ、さよならって居なくなったら嫌だと思う。

 ……そもそも、なんで、私、この人について来ちゃったんだろうな。

 ああ、そうだ。

『来いっ』
と言って、いきなり私の手をつかんできたこの人の手が、妙に温かくて。

 綺麗で荘厳だけど、望んでそこに立っていたわけではないせいか、寒々しく感じていたあの教会の中で――。

「いきなり、ふっと自宅のこたつに戻れたような気がしたんですよね」
と言うと、尊が、

「待て。
 今、何処から、こたつの話が出てきた……」
と言ってくる。

 話がつながっているのは、私の頭の中だけだったようだ、と思いながらも、鈴は言う。

「教会で尊さんに手をつながれたときの話です。

 あの非日常の空間の中で、こたつみたいに、あったかい尊さんの手に手をつながれて。

 いきなり日常が降ってきたみたいに感じたっていうか」

「いや、お前……。
 いきなり、式場から連れ出される方が非日常だろうよ」

 そう尊は言ってくるが。