私が今すぐ戻れば、たぶん、この人は今まで通りやっていける。
ぽすを見に行って、そのまま戻ろうか――。
親に言われて、三度しか会ってない人と結婚して。
そのまま決まった道を歩いていくだけの人生なんだろうと思っていた私を、この人は一度でも外の世界に連れ出してくれた。
それで充分かな、と思いながら、ふたたび高速に乗り、折り返している車の窓から、鈴は外を見ていた。
「寄らなくていいのか?」
と尊が言ってくる。
え? と見ると、
「噂のめかりパーキングエリアだぞ」
と言ってくる。
いや、今も此処に、鼻に指をさされた人が居るわけではないんで……と思いながら、
「大丈夫です」
と言って、鈴は笑った。



