3年後


私は飛行機で東京の地へ舞い降りた。


北海道へと旅立って
実家に帰ったのは数える程度。


ずっとずっと 両親には
通訳をしていると騙してきた。


すぐにやめて帰ろうと思っていたけれど
可奈ちゃんや池田さん
その他にもたくさん友人が出来て
居心地もよく
北海道のご飯も美味しくて
このまま永住もいいかもなんて
思ってた矢先父親の交通事故。


3年前ここから北海道へと旅立つ時
社長が言った嘘の理由
【親が事故に遭った】
それが本当になるなんて。。。


二度と歩けないかもしれない
そんな状況にテンパる母。


「側にいてくれたら
心強いのに距離がありすぎる」
と 母に言われ帰る事を決意。


こんな事でも無ければ
帰る決意なんて
出来なかったかもしれない
いいきっかけになったと思う。


だが すぐに駆けつけた病院では
大歓迎してもらえると思っていたのに
「何しに帰ってきたんだ!」と
激怒の父。


「母さん1人じゃ 可哀想だし」


「わざわざ仕事辞めて
帰ってくる事ないだろ!
有給使って帰ってくるのかと思えば!
そんな簡単に辞めてきていいのか?
お前は大好きな通訳やってたわけだから」


父さんごめん
嘘だから。。。


作業服を着て 三角巾をしてマスク
ホテル内の掃除をしてただけ。


「そんな風に言ってやらないで
わたし1人では可哀想だと
帰ってきてくれたんだから」
と母は父に言った。


「それに父さんは萌香のことが
心配だったでしょ?
風邪を引いて寝込んでる時だって
近ければ行ってやれるのに!って
何度も言ってたじゃない」


「そ・そりゃ
そうだけど 父さんのことで
仕事辞めたとなると
心苦しいよ」


「大丈夫大丈夫
そんなこと気にしないで」


「それなら元の会社に
戻してもらうとか出来ないのか?」


無理無理!そんなの絶対無理!