「私が行くから!」


「後々 グズグズ言われるのは
嫌いだからオレが行く」


「あっそ
飲んだのあんただし
じゃあ 行ってきて」


葵くんが出た後すぐに
バイクのエンジン音がした。


あの鍵って自転車じゃなくバイク???


しばらくするとまたバイクの音
帰って来たようだ。


「あんたバイク乗ってるの?
校則大丈夫なの?」


「なわけぇ
バイクオッケーの学校ってある?」


「違反じゃん!」


「別にバレなきゃいいし
それよりほら」


桃のソーダーを5本も買ってきている。


「あっ お金」


財布を開けて千円を出し
「お釣りいいわ」と言うと
「金はいいわ
さっき じいさんにもらったし」
と受け取り拒否。


「学生にお金を出させるなんて
非常識だから 取っといて」
と無理やりに手渡した。


めんどくさいはずなのに
わざわざ買いに行ってくれるなんて
芯までは悪い子じゃないかもと
その時は思っていた。


「オレが冷蔵庫に入れとくわ
ほら一本ここに置いとくよ」


「あ・・・ありがと」


やけに親切だな
と思いながらキャップを開けた。


瞬間 炭酸が溢れ出す。


「わっ!ちょっとぉー
もしかして 振った?」


「買いに行かせた罰」


「行かせてないでしょ
勝手に自分が行くって・・・
それより雑巾どこ?」


「さあ わかんねー」


「えっ!!!」


髪の毛に巻いてたタオルで床を吹いた。


「炭酸はネチャネチャになるから
ちゃんと床拭いといてね
おやすみ」


さっさと居なくなる。


初日から大変だと思って
でるのはため息ばかりだった。