放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。※リメイク版


そんな二人の間に割って入ってきたのは、莉奈の彼氏である平松君。


窓から入り込む風によって、彼の柔らかそうな茶色の髪の毛がふさふさと揺れている。


彼は冷静に、いがみ合う二人を少しだけ引き離した。



「葉月、さっさと片付け終わらせてこいよ。この後部活あんだから」

「へいへい」

「美空ごめんね。あたし達も戻ろう」



この瞬間を待っていたのだ、私はずっと。


先程からC組の女の子達がこちらをチラチラ見ている上、目の前にはあの日向君がいるのだ。


この息苦しい空間にはもう耐えられそうにない。



「うん・・・!」



莉奈が「じゃあ行こう」と言うと、私は大きく頷いた。



「俺達も部活行くか」

「・・・」

「おい、大地??」

「あ、おう・・・!」



私達が背を向けた後、彼がこちらをずっと見ていたなんて知らずに、私はただただ火照る頬を隠すのに精一杯だった。