うわ、ヤバイ!と、瞬時に彼から視線を外し、その先にあった単語帳に手を伸ばす。 焦点が合うまで時間はかかったものの、彼にしてみればずっと私が自分の事を見てたと思われるわけで。 あーもう!見るつもりなかったのに。 体の奥底から熱が広がってくるのがわかる。顔が熱い。髪の毛で顔が隠れるように顔を下に向けた。 見ているようで見てもない単語帳をパラパラとを捲(メク)る。単語が頭に入ってきていないことなんて分かってるのに。 「美空、英単語やってるの?」 「え、うわ!莉奈」