放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。※リメイク版


「翔也が言うには、日向大地は女の子には、一線引いてるんだって。鈍感そうに見えて、意外に自分に好意を持つ女の子のことわかるんじゃない?」
「へー…それなのにモテるってすごいね。もったいないな~」


モテた経験が無い私からしたら、何とも羨ましい話だ。
これこそないものねだり。


「サッカーに集中したいんじゃない?ほら、皆あの人の事“未来のエース”って言ってるじゃん?」


なるほど~、と思わず相槌をうつ。

私の通う東高校は県内でも有名なサッカー強豪校。

そんな中1年生の頃から沢山の試合に出て、東高校未来のエース、とまで称されるほどなのだから相当上手いのだろう。

そんな彼だから恋愛に興味がないというのはある意味あってるのかもしれない。

まあ、私には関係のない話。

お弁当を食べ終えた私には、まだやらなければいけない事が残っている。

見ないようにしていた英単語帳に手を伸ばし、今日の範囲を開く。

しかしそれを阻止するものが。