あのあと、とりあえずキス以上になりそうな雰囲気を回避して、ちゃんと服を着てベットから出たのは昼を過ぎてからだった


色々話をした
一年前のこと
この一年間のこと
話の途中でも何だかスイッチの入る恭介さんを何度も宥めた



「ごめん、またがっついた」

「いえ、恭介さんて…………」


"触れ合うのが好きなんですね"
言い掛けて止めた
今までの恭介さんの事を思い出すと、信じられないし、「違うよ」なんて言われたら恥ずかしい
暫くは立ち直れない


「そうだよ」

「え?」

「俺はずっと紗也だけ
あの日、一目惚れして、付き合って
幸せだった
あの日から俺には紗也しか見えてないよ
ずっと俺だけの紗也だって言いたかった
紗也が仕事で他の男と話をしてるなんて想像するだけで………
俺の方が紗也よりも年上だし情けない姿見せたくなくて…………
本当は毎日でも会いたかったし、触れたかった
いつも、紗也の傍から離れたくなかったよ」

「恭介さん…………」

「ちゃんと我慢せずに伝えれば良かったんだよな?
年上だとか関係ない
ずっと、紗也だけを愛してる
必ず幸せにする」


トクンと優しい音が鳴る
真っ直ぐに伝えてくれる恭介さん

付き合っているときも、ちゃんと大事にしてくれていたし恭介さんの気持ちを疑ったことはなかった


だけど、伝えてもらえたらやっぱり嬉しい
言葉は少ない恭介さんだったから