もはや独り言で騒いでいる鋭太郎を、後輩が呆れた顔で見ている。

「先輩!元気出してくださいよー!それだけ頑張って家事に育児に仕事までしてるんすから、エナちゃんも絶対先輩のこと大好きですよ!」

大好き…
エナが俺のこと大好き?

単純な鋭太郎は後輩のその言葉だけで吹っ切れた。

「そっか…そうだよな!エナのためだもんな!」

「そうっすよ!…いいなあー。俺も娘欲しいっす。」

「ありがとな!また今度昼メシ奢るよ!」

鋭太郎は立ち上がり、後輩とともに会社の中へ戻っていった。