「こんばんわぁ〜。安心してくだせぇ!ふほーしんにゅーではあるようでないので!」

突如聞こえた男の声に振り向くと、
狐面で顔を隠した背の高い男が玄関に立っていた。
一瞬ぎょっとして警察を呼ぼうと思ったが、
鋭太郎は男の容姿を見て、さっき見ていたネットの噂を思い出した。

「ふ……復讐狐…?!」

「そうさ!我こそは有象無象の恨み妬み憎悪を依頼者に代わりスカッとさせちゃう…かもしれない…復讐狐様だ!!ぶはははははは!!!!」

鋭太郎の想像とは違い、変質者のような男だった(いや、普通に変質者だ。)が、男の性格や見た目など鋭太郎にはどうでも良かった。