「ちょっと、どうしたのよ?」

鋭太郎の慌てた様子に驚いている妻。
そんな妻を無視して、鋭太郎は家を出て、車を走らせた。


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エナはインフルエンザだった。

鋭太郎が病院に連れて行ったので大事には至らなかったが、もし自分の仕事がいつも通り夜までで、早く帰って来ていなかったらと思うと、鋭太郎は恐ろしかった。
それと同時に、エナを放ったらかしにした妻に対して物凄い怒りを感じた。