まあ、そんな莉々から見たら、そりゃあ今回の彼女は"あんな子"なわけで。 気に入らないのは分かる、けど。 「悪いけど、自分から女の子泣かせる方が趣味じゃない」 「…どの口が言うの?」 可愛らしい顔が一瞬にして曇って、淡いグロスで色付いた唇が珍しく的確に毒を吐くから、思わず苦笑した。 「ねえ、莉々ほんとうに怒ってるんだからね?」 そしてそんな自虐的な笑いさえお気に召さなかったようで、細い腕が首の後ろに回ったかと思えば一気に縮まる唇と唇の距離。