「それでもいいから、チャンスがほしかったの」




水瀬くんと距離を縮める、チャンス。



特に私みたいな日陰者には今回しかないと思った。



これを逃したら今度こそ本当に挨拶すら交わすことなく卒業式を迎えるんだろうなと思ったらいてもたってもいられなくて、つい、無茶なお願いをしてしまって。




「実は後悔してるでしょ」



「……………してる」



ユキちゃんの言葉を受けて机に突っ伏し項垂れる私。図星すぎて顔があげられない。