「でも、あの子も本当見境ないね。こんな大人しそうな子にも手出すんだ?」 「み、見境……?」 「全く、誰に似たんだか。気持ち悪い」 待って、何の話…? 気持ち悪いって、どういう…… 「ーー母さん」 全く話についていけず、その場で立ち尽くすしかない私の背後から聞こえた声は、いつもより曇って聞こえたような気がして。 「…帰るなら言ってよ」 いつの間にか電話を終えた蒼くんが、玄関側とは反対の扉から現れて、私を庇うようにその人との間に立つ。