『今は私といるんだから、出ないでよ』
…そうやって言えるような女の子に、なりたかった。
そう言っても嫌われない自信があるような子に、なってみたかった。
喉元まで出かかっても、私には言えない。
蒼くんが好きで、大好きで、本当は私だけを見てくれたらって思うのに、嫌われるのが怖い。
疎まれることが怖くて、行動にも言葉にも出来なくて。
それなのにどんどん欲張りになっていく自分が、どうしようもなく嫌い。
「……」
一人になったリビングで少しだけ聞き耳を立ててみると、遠くの方からかすかに蒼くんの楽しそうな笑い声が聞こえてくる。

