「ちょっと上の方だから時間かかるんだよね」
「ちょ、ちょっと……?」
蒼くんの後についてエレベーターに乗り込むと、背中越しに最上階である52階のボタンを押した指先に思わず心の声が漏れる。
ご、ごじゅうにかいって地上から何メートル…?
そこら辺のビルよりよっぽど高いよね?
私がぐるぐる考えて答えを出すよりエレベーターが52階に着く方が早くて、あっという間に扉は開く。
「おじゃま、します」
「どーぞ」
案内されたのは扉のプレートに5201と書かれた角部屋。
フカフカのスリッパをお借りして足を踏み入れたお部屋はモデルルームみたいに綺麗で、余計に緊張してしまう。

