「よし、行こ!」 「う、うんっ」 紫乃くんが開けてくれた手動ドアは、カランコロン、と可愛らしい音をたてて私たちを迎えてくれたけど、 「いらっしゃいま………せ」 カウンター席に座る女性客にコーヒーを提供していた蒼くんは、私達に気づくと笑顔を引き攣らせて。 「…………なにしてんの」 一応席に案内してくれたものの、お冷をテーブルに置きながら紫乃くんを睨みつけた。 「なにって…まぁ、デート?」 「えっ」 「あ?」