「わかったわかった、退散しますよ。全く、見かけによらず嫉妬深いんだから」



やれやれ、と肩をすくめた紫乃は余計な一言を付け加えたかと思えば、俺の胸で硬直している心和にも声をかける。




「じゃあね、心和ちゃん。また後でね」



…は?



またね、ならまだしも、「また後でね」って言ったよな今。



あーあーあー、面倒くさい。何なんだもう。



廊下のど真ん中でこれ以上追求するのはさすがにギャラリーが集まってきそうでそのまま紫乃を見送ったけど、自然とため息が漏れ出す。



せっかく昼休みくらい心和と一緒にゆっくり過ごそうと思ったのに、なんなんだ。