「ん。とりあえず一回上がりなよ」 痛いところをつかれて言葉を詰まらせた私に伸ばされる、蒼くんの手。 「なにがあったかは聞かない方がいい?」 「う、ん」 「まあ、何となくわかるけどね」 私を引きあげた蒼くんはそのまま水泳部の部室に入っていったかと思うと、バスタオルを片手に戻ってきた。 「学校の備品。なんか使ったら洗濯してまた戻しとくルールらしいからそのうち適当に返せば多分バレないし」 「く、詳しいね」 「まあね。OGの先輩が言ってただけだけど」