「矢島くん!」
「!」
やがて教室に到着して早速名前を呼ぶと、噂の彼…“矢島くん”は教室の窓際でたくさんの友達と雑談してる最中だった。
矢島竜くん。
“あの日”からの…私の、大好きな笑顔を持った人。
私が矢島くんの名前を呼ぶと、彼はすぐに反応してくれたけれど…やがて「またお前か」とめんどくさそうに呟いた。
「…今度は何だよ」
「酷いっ。せっかく遠い教室から逢いに来たのにっ」
「いや同じクラスだし」
「ねねっ、今度の日曜ね、カップルで入ると割引してくれるカフェ見つけたの!私、矢島くんと行きたい!」
私はウザそうにする矢島くんを無視してそう言うと、彼の友達をかき分けて目の前に回り込む。
だけど…矢島くんは、私の愛にはかなり冷たくて。
「カップルじゃねぇじゃん俺ら」
「今からなればいいでしょ!私はいつだってオッケーだよ!」
「…、」
私がいつもの調子でそう言うと…
「…断る」
と、彼もまたいつもの調子でそう言った。

