「え、」
「何があったか知らないけど、元気出せよ。人生、泣きたくても笑ってた方が得だろ?」
「…、」
「す、少なくとも、俺はそう思うよ」
矢島くんは、不器用にそう言って、また私に笑顔を向ける。
さっきも思った、今までは気が付かなかった人懐っこいかわいい笑顔。
その笑顔に、思わず私が見つめていると…
「……つ、つか…」
「…?」
「そんなに…見つめないでくんない?」
「!…あ、ごめん」
矢島くんは、あんまり女子に慣れていないようで。
この空間に耐え切れなくなったのか。
思わず少しの間見つめ合ってしまっていたけれど、ふいに逸らされてそんなことを言われた。
照れたような顔。赤い耳。
今まで、知らなかった。
彼の魅力。
「…矢島くん」
「うん?」
「ありがとう」
そして、その翌日から…私は。
一気に、面白いくらいに…矢島くんに、落ちた。

