白崎さんの溺愛

薬品棚に、絆創膏等を仕舞ったあと。

ふいに口を開いて、矢島くんが振り向くから。

その声に、矢島くんの方を見ると。

目が合った矢島くんが、少し心配そうに、言った。



「他の女子に、グランドで。何が…あったの?」

「!」



そう問いかけて、じっと私を見つめて。

でも一方、そう聞かれた私は…さっきのことを思い出して。

思わずまた、下を向く。



『お前、重い』



別れる直前に言われた、一ノ瀬くんからのそんな言葉も脳裏を過って。



「……さっき、グランドで…」



だけど。

やがて私が口を開いて、話そうとすると…



「あ…わ、わかった!」

「え、」

「わかったよ、なんとなく…わかった」

「…でも、」

「本当は話したくないことも…わかった」



そう言って、ごめんと。

ストレートに聞いてしまったことを謝る矢島くん。

その言葉に、私は思わずまた下を向いて…目を逸らすと。

そんな私の様子を見て、少し慌てたように矢島くんが言った。



「げっ…元気出せって!」