「でも…ありがと」
「…?」
「確かにハズイけど、素直に嬉しい。っつか、嬉しさの方が勝ってる、いま」
「!」
そう言って、矢島くんは。
私の目の前まで来て、ぎこちなく…私を正面から抱きしめる。
その言動に、今度は私は固まって。
矢島くんの腕の中にいる、から。
何も言えずにいると、矢島くんが言葉を続けて言った。
「そういうこと言われたら、もう選択肢…一つしかないじゃん」
「…?」
「俺、白崎の彼氏になりたい」
「!!」
そう言って、恥ずかしさからか…よりぎゅっと抱きしめられるから。
その言葉が、嘘みたいにまた…嬉しくて。
でももちろん、嘘じゃないから…その言葉に頷いて、私も矢島くんの背中に両腕を回す。
「…夢じゃないよね?これ」
「や、せっかく気持ち伝えたのに夢とかヤメテ」
「!っ…好き!矢島くん!」
「!」
私は、やっと想いが通じた廊下のど真ん中で。
そう言って、再度、はっきりと自分の気持ちを伝えて、いつまでも抱きしめあった。
やっと、夢が叶った貴重な瞬間だった。

