白崎さんの溺愛

******


翌朝。

昨日はあれから家で矢島くんのためにクッキーを作って、今日学校に持ってきていた。

休み時間に2人で食べたいなぁ、なんて…想像してはまたニヤけて。

甘党な矢島くん。喜んでくれるかな。

そう思いながら、生徒玄関で靴を履き替えていると…



「乃愛、」

「!」



その時。

不意に近くから名前を呼ばれて…顔を上げると。

そこには何故か…



「…い、一ノ瀬くん」

「…」



私を見ながら立っている、一ノ瀬くんの姿があった。



「おはよ、乃愛」

「…っ」



私はまさか一ノ瀬くんが久しぶりに声をかけてくるなんて思わなくて、一瞬、ビックリして固まってしまう。

…なんで?なんで声なんか…かけてくるの?

そう思って…私が口を開くと…その前に一ノ瀬くんがそれを遮るように言った。



「ごめん。ビックリしてるよね、いきなりで」

「…なんで、」

「や、何かさ、この前は悪かったなぁと思って」

「え、」

「ほら、乃愛と別れた日」



そう言って、私は思い出したくないのに…一ノ瀬くんは。

躊躇なくそう言って、今更、「ごめん」と謝ってくる。

…なんで?どうして今、そんないきなり…?

そう思って、私が首を傾げると…