白崎さんの溺愛

しかし、矢島くんがそう言った直後。

それを聞いていた矢島くんの友達たちが言った。



「矢島ー。白崎さんが可哀想だろ」

「お前、贅沢すぎ」

「そうそう。白崎さんめっちゃ可愛いじゃん。本来ならお前のところにこうやって来るのとかマジで奇跡だからな?」



俺なら速攻付き合ってるわー。

と、ずっと断り続ける矢島くんにそう言っては、どさくさに紛れて真正面から私の両手をとって握る。



「白崎さん、コイツやっぱダメだって。俺にしよ?」



しかし…



「え、ごめんなさい。矢島くん以外は絶対無理」

「!」



私は速攻で断ると、そんな男子生徒から手をパッと離して再び矢島くんを見る。



「ってことで、今度の日曜、決まりね!」

「…や、勝手に決めるなし」

「そこの駅前で待ち合わせ!楽しみにしてるからっ」

「話を聞け、」



私はそう言うと、「じゃあね」と矢島くんに手を振って、やがて自分の席に行く。

後ろから「俺行かないからな」って言ってるけど、私は知ってるもん。

そんなことを言っておきながら、矢島くんってやっぱり優しいから、何だかんだで来てくれること。



私は席についても、未だ不満そうにする彼に向かってほほ笑みながら手を振った。