「ところで、あんたは誰なんだ?」

刑事さんが首を傾げて私に尋ねてくる。そうだ、刑事さんは私の存在を知らないのだ。

「私は先生の助手です」
「助手?ここの探偵に助手がいると聞いたことがないが?」
「先生が名の知れた探偵となってしまったので、隠密捜査のある依頼をこなす為、私の存在を世間に隠していたのです」
「へぇ。ちなみにいつから助手をしているんだ?」
「この事務所が出来てすぐです。先生が最初に解決した事件にたまたま居合わせた私を気に入り、助手として事務所へ招いてくれました」
「じゃあ、俺より探偵と長い付き合いになるんだな…。この事務所を見てどう思う?」