それから連絡通りの5分後に刑事さんが現れた。
先生と私を見て酷く驚いていたが、一つ深呼吸をしてから先生の安否を確認し始めた。首筋や口元に手を当てて脈や息をしているのかを見ていたが、やがて悲痛な表情を浮かべると、先生の瞼に手を当てて目を閉じさせる。
大柄な体躯を起こして刑事さんはスマホでどこかへ連絡を取り始めた。短くやり取りを済ませると私に向かって警察手帳を掲げて挨拶をする。

「この地区を担当する刑事だ。応援要請をしたが、到着するのに15分はかかるそうだ」
「そう、ですか…」

私は相変わらず先生の側に座り込んで刑事さんの言葉を聞いていた。