本当は乃絵琉の復讐は自分に対してだという予想は当たっていて、この男が復讐遂行の為に嘘をついているのだとしたら…

もはや誰のことも信じられなくなっていた萌夢叶は、復讐狐を睨みつけ、言った。

「アンタの意見なんてどうでも良いから教えて!あの女は何を企んでたの?!」

はあ、と溜息を吐き、復讐狐は指で『狐ノ窓』を作り、萌夢叶の目の前に差し出した。

「覗きな。そうすれば君の知りたい『真実』が見えてくる。あ、そうだ。先に1つ言っておくけど、これを見るなら来週までに払ってもらう筈だった20万円は要らないよ。」

萌夢叶は驚いた。
守秘義務とやらを破る上に、報酬までもいらないという。
しかし、そんな事よりも、萌夢叶の中では『真実』を知りたいという気持ちの方が勝っていた。

萌夢叶は復讐狐の手首を掴み、狐ノ窓を自分の目の位置に合わせた。



暗闇の奥に少しずつ真実が見えてくる…